夢幻の姫君
「背中が、すごく痛いので」
「え? 背中?」
チッ…… 鈍感め
心でそう思いながらも、笑顔を崩さず訊く
「嫉妬されてるのよ、私。君の彼女に」
ええっと言いながらも嬉しそうだ、是非とも見てみたい。この嫉妬深い彼女。
「で、誰?」
グイッと顔を近づけながら訊く、背中が痛いが知ったことか
ええぇ?! と恥ずかしがりながら答える。
「み、実柚。松嶋実柚……」
今度は私がポカンとする番だった。
え? 松嶋…………え?
そんな私をみて、不審に思ったのか飯坂君が声をかけて来た。
「知ってるの……?」
ハッと気を戻すが、時すでに遅しと言うやつで、怪訝そうな顔をされた。
「まさか――――」
えぇ!? バレた? いや、でも私のことなんて知られてないし―――――
「霧岬グループの人?」
そう言われた時に、顔を支えていた肘をズルッと落としてしまった。
なんてベタなの、自分。
「ふぅ……違うよ。私は、じゃなかった。お父さんが勤めているのはブラウニングカンパニーだよ」
飯坂君は、そうなんだ。と、納得。何かぶつぶつ言っている。
〝勤めている〟と言ったので、見下すような視線が増えた気がする。
チッ……なんて幼稚な。
「どこの所属なの?」
と嫌味たらしく、一人の女が言ってきた。
ふ~んコイツ家が倒産しかけなのか。力のおかげで勝手に覗く。
「う~ん……特室って言ったかな? 特別調査管理室の部長だって」
もったいぶって言ってやった。驚いた顔をして、ちょっと悔しそうだ。ざまぁ
人の目がなかったら、嘲るような顔をしていた気がする。
「え? 背中?」
チッ…… 鈍感め
心でそう思いながらも、笑顔を崩さず訊く
「嫉妬されてるのよ、私。君の彼女に」
ええっと言いながらも嬉しそうだ、是非とも見てみたい。この嫉妬深い彼女。
「で、誰?」
グイッと顔を近づけながら訊く、背中が痛いが知ったことか
ええぇ?! と恥ずかしがりながら答える。
「み、実柚。松嶋実柚……」
今度は私がポカンとする番だった。
え? 松嶋…………え?
そんな私をみて、不審に思ったのか飯坂君が声をかけて来た。
「知ってるの……?」
ハッと気を戻すが、時すでに遅しと言うやつで、怪訝そうな顔をされた。
「まさか――――」
えぇ!? バレた? いや、でも私のことなんて知られてないし―――――
「霧岬グループの人?」
そう言われた時に、顔を支えていた肘をズルッと落としてしまった。
なんてベタなの、自分。
「ふぅ……違うよ。私は、じゃなかった。お父さんが勤めているのはブラウニングカンパニーだよ」
飯坂君は、そうなんだ。と、納得。何かぶつぶつ言っている。
〝勤めている〟と言ったので、見下すような視線が増えた気がする。
チッ……なんて幼稚な。
「どこの所属なの?」
と嫌味たらしく、一人の女が言ってきた。
ふ~んコイツ家が倒産しかけなのか。力のおかげで勝手に覗く。
「う~ん……特室って言ったかな? 特別調査管理室の部長だって」
もったいぶって言ってやった。驚いた顔をして、ちょっと悔しそうだ。ざまぁ
人の目がなかったら、嘲るような顔をしていた気がする。