夢幻の姫君
「そうそう、帰りはちゃんとロータリーまで来るって連絡あったから。教室で待ってろよ」

 そういって、もう周りにハーレムを作ったらしい隼人が教室に戻っていった。

――――――クラス訊くの忘れた。

少ししまったと思いながら席に戻ると、きらきらと輝かせた目で見つめるクラスメイト達。

「あ、あの人!! 誰!!」

「え? ……隼人のことですか?」

彼らの言う〝あの人〟が分からなかったけど、フッと隼人かなっと思って訊いてみたら、あたりの様で、少し困ってしまった。

 彼らは私に関係する何の肩書きを持っているのだろう………

幼馴染……にしてみれば馴れ馴れしいってののが言ってたけど、そもそも馴染んでいるから馴染みって……あぁもうっ、ややこしいな!!
 執事は一応健人になってるけど……、あれ、でも健人ってケートとか、ケイってあったけど、どれが正しいんだろうって、そうじゃなくてっ。

 まぁいっか執事で。

1~2秒の間でそんな事を考え、答えを出した。まぁ金持ちならそれくらいいるだろう、と思った私が馬鹿だった。
 なぜならここは健人が作ったのだから、訳アリいてもおかしくないのだ。

「執事ですわ」

それが当然と答えたからには、少し唖然とされてしまった。
 ボソボソと聞こえるお話は何ですか? 時代錯誤もいいとこ……へぇ。 口調もおかしい? なるほど。キミタチの名前ブラックリストに入れてもいいですか? ある事ない事書いて、出しちゃいますよ? 私の正当なる暴力として、何も言えなくなってしまいますよ?

「相当な、お金持ちなんだね……」

うむ。その発言から、この学校はそれなりのお嬢、お坊ちゃんだけど、執事までいないレベルなのか。 うん………なんともいえない。

「あら? 松嶋さんはいないんですか?」

これが爆弾だったらしい。
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