夢幻の姫君
納得のいった私は、自分の携帯の番号を書いた紙を取り出して、実柚に渡した。
「真実が知りたかったら、ここに連絡を頂戴。つらくなったらでもいい。一人じゃなくてもいいから」
そう3人の前で言って、樋野に、いや〝新名明〟に近づいた。
「新名一家も、霧岬も私が潰す」
そう囁くと、バッとこっちを見た。やっぱり、という顔をしていたがこっちを見て俯いた。
「私は、貴方達を許さない。いつも自分の事ばかりで、他人の幸せを壊してもなんとも思わない」
そうやって、切ってから続ける。バツの悪そうな顔をしたが、そんなのは知ったことではない。
「貴方が彼女にどんな感情を抱いていようと、再起不能にしてやる」
そう捨て台詞を吐くと、隼人の元に駆けて行った。
イライラしていた私をみて何を思ったのか隼人が言う。
「悪いな。言ってなくて。あいつには会わないと思ってたから」
本当に悪いと思っている顔で、そんな事を言って俯いていた。
「違うっ」
そう叫んだ私を不思議そうに見る。
「違うんだ……」
黙ってしまった私を、悲しそうな顔で、言って欲しそうな顔をしていたけど、私は言わなかった。隼人も訊こうとしなかったので、ずっと黙っていた。
あんな、あんな気持ちを持っていたなんて………
みんな、プロジェクトに関わっていた奴は、後悔なんてしてないと思っていたから。
深い後悔の中に見えた感情。恋心。壊せない関係。あんなにも離れられる事を恐れていて、気持ちを伝えられない。幸せを願っている。あんなのを潰せない
「こんな力………………いらないっ!!」
決意した気持ちが、揺らいでしまう。
自分の気持ちにゆれていると隼人が抱きしめて、背中を撫でてくれていた。
チャイムが鳴るまで、ずっとそうしていた。
「真実が知りたかったら、ここに連絡を頂戴。つらくなったらでもいい。一人じゃなくてもいいから」
そう3人の前で言って、樋野に、いや〝新名明〟に近づいた。
「新名一家も、霧岬も私が潰す」
そう囁くと、バッとこっちを見た。やっぱり、という顔をしていたがこっちを見て俯いた。
「私は、貴方達を許さない。いつも自分の事ばかりで、他人の幸せを壊してもなんとも思わない」
そうやって、切ってから続ける。バツの悪そうな顔をしたが、そんなのは知ったことではない。
「貴方が彼女にどんな感情を抱いていようと、再起不能にしてやる」
そう捨て台詞を吐くと、隼人の元に駆けて行った。
イライラしていた私をみて何を思ったのか隼人が言う。
「悪いな。言ってなくて。あいつには会わないと思ってたから」
本当に悪いと思っている顔で、そんな事を言って俯いていた。
「違うっ」
そう叫んだ私を不思議そうに見る。
「違うんだ……」
黙ってしまった私を、悲しそうな顔で、言って欲しそうな顔をしていたけど、私は言わなかった。隼人も訊こうとしなかったので、ずっと黙っていた。
あんな、あんな気持ちを持っていたなんて………
みんな、プロジェクトに関わっていた奴は、後悔なんてしてないと思っていたから。
深い後悔の中に見えた感情。恋心。壊せない関係。あんなにも離れられる事を恐れていて、気持ちを伝えられない。幸せを願っている。あんなのを潰せない
「こんな力………………いらないっ!!」
決意した気持ちが、揺らいでしまう。
自分の気持ちにゆれていると隼人が抱きしめて、背中を撫でてくれていた。
チャイムが鳴るまで、ずっとそうしていた。