夢幻の姫君
Hope ~必要なもの~
泣いた目はそんなに腫れなかったから、そのまま教室に戻った。
隼人は最後まで心配してたけど、大丈夫といって教室で別れた。
「大丈夫だった?!」
教室に入って第一声がこれ。
え? みんなどういう目であの子を見てるの?
感じられる感情は〝恐れ〟
「何もなかったですけれど、どうして皆様はそんな風におっしゃるのですか?」
そう訊くと、言いづらそうにこう言った。
「彼女を苛めてた人を退学まで追い込んだんですよっ!!」
それ普通じゃないの? あ、はい。そうですか、普通じゃないんですね。
手を回したのは恐らく樋野だろう……。
霧岬に任せると、ばれてしまうからな。きっと。
そこまで改心したという事なのだろうか、樋野、明は。
いや、まだだ。まだ、信じるには情報が少なすぎる。
こんな私を無視して周りは続ける。
「それに、苛めてた一人の立花さんと一緒にいるんですっ!! 脅して一緒にいるんですよ!!」
脅して……? さっきの様子はそうでもなかった。むしろ、この人は大丈夫とか、感じられたのは恐怖じゃなくて〝信頼〟だった。
見てわかるのにこの人達はどうして彼女を悪者にしたいのだろう。
「それは、本人が言ってたのですか?」
「いえ……。私達の憶測ですけどきっとそうですよ!! でなければ一緒にいる理由がありませんっ」
理由、か。一緒にいるのに必要なのかな? 憶測で判断するなんてただの馬鹿だ。誰だって本音なんて言わないし、言えない。周りの目が怖いから。
その自信はどこから来るのだろう? 見た目だけで判断して、仲良い相手を決めるなんて、最悪だな。 社会に出たら、そんなものは通用しない。
どれだけ仕事が出来るか、どれだけ周りを気遣えるか。
ただ、それだけ。
イライラして口を開けた。
隼人は最後まで心配してたけど、大丈夫といって教室で別れた。
「大丈夫だった?!」
教室に入って第一声がこれ。
え? みんなどういう目であの子を見てるの?
感じられる感情は〝恐れ〟
「何もなかったですけれど、どうして皆様はそんな風におっしゃるのですか?」
そう訊くと、言いづらそうにこう言った。
「彼女を苛めてた人を退学まで追い込んだんですよっ!!」
それ普通じゃないの? あ、はい。そうですか、普通じゃないんですね。
手を回したのは恐らく樋野だろう……。
霧岬に任せると、ばれてしまうからな。きっと。
そこまで改心したという事なのだろうか、樋野、明は。
いや、まだだ。まだ、信じるには情報が少なすぎる。
こんな私を無視して周りは続ける。
「それに、苛めてた一人の立花さんと一緒にいるんですっ!! 脅して一緒にいるんですよ!!」
脅して……? さっきの様子はそうでもなかった。むしろ、この人は大丈夫とか、感じられたのは恐怖じゃなくて〝信頼〟だった。
見てわかるのにこの人達はどうして彼女を悪者にしたいのだろう。
「それは、本人が言ってたのですか?」
「いえ……。私達の憶測ですけどきっとそうですよ!! でなければ一緒にいる理由がありませんっ」
理由、か。一緒にいるのに必要なのかな? 憶測で判断するなんてただの馬鹿だ。誰だって本音なんて言わないし、言えない。周りの目が怖いから。
その自信はどこから来るのだろう? 見た目だけで判断して、仲良い相手を決めるなんて、最悪だな。 社会に出たら、そんなものは通用しない。
どれだけ仕事が出来るか、どれだけ周りを気遣えるか。
ただ、それだけ。
イライラして口を開けた。