夢幻の姫君
それからというもの、授業中だったり休み時間だったり、美羅には鋭い視線が送られていた。放課後になってもそれは変わらず―――

 心労で死にそうです。

「のの、もう耐えられない…」
視線に耐え切れなくなった私は、隼人のことを言うことにした

「へぇ~ そうなんだ。でも隼人君―――ないよね?」
「へっ?」

意識が別のところに飛んでいた私は聞きなおす

「だから 微笑まないってこと!」

はい?  あの人よく笑うよ?
 可愛い顔で

「あんただけ特別、何したの?」

何にもしてないけど?

「あの時、隼人君――――
 『美羅にしか興味ない』って言ったんだよ」

はぁぁぁぁぁぁぁ?
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