夢幻の姫君
「隼人!!」

ここが教室であることも忘れ隼人に詰め寄る。
 ヒートアップされた私の頭はもう止められない

…後で後悔することも知らず…

「何?」
隼人が飄々と答える。
 美羅の怒りが煽られ…

「私にしか興味ないってどういうことよ!!」

教室が静まりかえり、あるものは興味津々に、またあるものは嫉妬しながら見ていた

「そのままの意味だけど?」

学校では笑うことをしなかった隼人が微笑んだ。
 まるで愛しい者を見るかのような

「っつ!」

みんな黙らせるには十分すぎる笑顔だった。

「さあ美羅、帰ろう?」

美羅の手と荷物を持って教室を出た。
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