夢幻の姫君
「いらっしゃい」

私たちを迎えたのは人の心を読むエスパーな真琴だった。

今更思う疑問がひとつ。

「2人、苗字違わない?」

そう、真琴は高杉、隼人は崎坂なのだ。
 そういう二人は、お腹を押さえて笑っている。
失礼な。

「隼人。まだ言ってなかったのか?」
「いや、気付くの待っていたんだが…」

気付かなかったと。 口をへの字にして黙っていると、2人は笑いからやっと帰還できたようだ。
 失礼な奴らめ。それどころじゃなかったんだよ。イケメンに会って、部屋一緒で意識して意識して意識して―――――

涙目になってきた。くそぉ負けるか!
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