夢幻の姫君
彼らは謎ばかりだ…
 最初私を〝ハル〟と呼び、今私の生活にゆっくり入ってきている…
私は何かあるのだろうか?
時々聞こえるあの声と、彼らと―――

「時間大丈夫?」

蜂蜜色のきれいな頭をした怜斗が聞いてきた
 えっ…今何時なの?
ハテナマークを浮かべる私に苦笑いをしながら教えてくれた。

「8時。20時だけどいいの?家」

うぇぇぇぇぇ? 20時~~?
ヤバイッ これはヤバイであります。いくら母が緩かろうとこれは―――
 説教です!!

「ごめん!帰るね!!」
「ちょっと待って。送ってあげるから」

慌てて出ようとした私を真琴が呼び止める。

「これ持って?」

渡されたのは1枚の紙。受け取ろうとして触れたら消えた。
 真琴達は瞳を揺らしたが、消えたことに驚く美羅は気づかない。

「消えたっ!?」

美羅の声で我に返った真琴は再び言う

「ごめん、驚かせちゃったね。こっちがホントね」
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