夢幻の姫君

教室に向かって歩いていると、なにやら騒がしい。
何かと思って、ドアの近くまで来ると――――

「だから、美羅はそんな事しないって言ってるでしょ!!」

乙女（のの）が怒鳴ってる…はじめて聞いた…
　って私?何かした?

「あんたもやってるんでしょう?良いわね。あの子のおかげであなたもあの兄弟にちやほやされて―――」

どういうこと?　よく分からないので、ドアを開けた。

ガラッ

「……美羅」

ののが悲しそうな顔で私を見ていた。

「ナニコレ……」

黒板には「桐生美羅は、双子をたぶらかす性悪女!!」と書かれていた。

クラスの強気女子の立花(たちばな)さんは

「どうせ、体使ったんでしょう?　尻軽女!!」

そう言って、何かを投げた。


「――――危ないっ!!」

えっ?