夢幻の姫君
「きゃぁぁ」

ののが倒れる。投げられたのは重い辞書。のの、の頭からは

――――――血

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

血の気が引いていく

――――そしてフラッシュバックするあの夢

「―――逃げてっ!!」

庇われて

「きゃぁぁ」

倒れる


私は成長しないまま“また”助けられない。庇われる。弱いまま。弱いのは嫌なはずなのに―――

「お前も―――」

立花さんが、また投げる。

その投げた本は――――




私の目の前で止まった。

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