夢幻の姫君
息を切らして入ってきた隼人に目をふさがれ、ガタガタと浮いてた物が落ち、光も収まった。

「なんで…? あいつらはののを……」

止められた美羅は涙を流しながら、隼人に訴える。
 手は悔しさで震えている。

「今なら間に合うから。一緒に病院行こう?」

やさしく語りかけるように隼人は言った。

「ホント?」

信じられない美羅は聞き返す。

「ホント」

隼人が頷きかえしたのを確認した美羅は、そこで意識を手放した。
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