夢幻の姫君
ある日、薬を投薬された。
 病気にならないために、と言われ一日かけて全員に注射された。

まだまだ小さい私たちは、注射の針が怖く泣いていた。

「ハ、ハルっ怖かったね」
「そうだね。クー」

私たちは、注射の後固まっていた。初めての経験だったのもあるし、大人たちの変化に気づいてしまったからなのかも知れないが。

「なんか、お兄さんたちの目。キラキラしてたね。何でだろう?」

大人の異変について、話し合う

「最近、病気でこの部屋でていく子が多かったから、それが無くなると思うとうれしいんだよきっと」

ハルは対して気にしていないようだった。やさしいハルはそんなことがなくなるのは良いと思っていた。

そして、クーの危惧していた事が起こる。

ガッ ボキッ ガシャン
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