夢幻の姫君
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

悲鳴が、聞こえる。
 その先に見えるのは――――倒れている子供と、血。

「うわぁぁぁぁ」「きゃぁぁぁぁ」

子供たちに異変が起きる。
 薬に理性を奪われてしまった子供達は、祖先のように、自分たちが生き残るようにほかを殺して生き残ってきたホモサピエンスのように、本能のまま、殺しあう。



――――――生き残りの、デスマッチ。



生きるか死ぬかの瀬戸際、薬に支配されなかったハルとクーは隅でうずくまっていた。
 薬に支配されている子は、目がおかしい方向に向いてたり、行動がおかしかった。

何より、友達を襲っている。

 カメラで見ている大人達が、助けに来てくれるのをひたすら待った。


―――――だがその期待は、裏切られる。

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