夢幻の姫君
誰も来てくれる事の無いまま、生き残った女の子一人と私たちだけになってしまった。

「わ、わたしが、か、勝つの…」

フラフラとした足取りで、しかし子供とは思えない怪力で机を引きずりながらやってくる。

「やめてっ!!」

ハルが叫ぶが、相手の心には通じない。
 そんなハルに机が振り下ろされる。

「逃げてっ!」

クーはとっさにハルを押した。

ガッ

「クーーーーー!」

ハルの前でクーが倒れる。

「何、するのよぉぉぉぉぉ」

普段怒ることの無いハルが怒りをあらわにする。

カッ

光が包んだあと、女の子は倒れていた。
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