夢幻の姫君
本社の会長(社長)につまらない挨拶をしてから帰る途中出会う。

 新たに自分を支える存在と。

健人と真琴は用事でその場を離れていて、クーが一人でいた時

「来るなって言ってるでしょうっ!!」

そんな、罵声と蹴ったようなガッっと言う音が聞こえた。

 クーは“あの事”があってから、理不尽な暴力は嫌いだ。
特に何も出来ない子供に対しての。

クーはそこに向かって歩いていった。
 そこで見たのは、一人の少年がまだ小さな弟たちを守っている姿だった。
一人で暴力を受け続けていたところに、クーが乱入した。

パシッ

「なっ!」

子供を蹴り続けていた女性は驚いていた。目立つ髪を隠すためにフードをかぶっていたクーに止められたのだ。自分の足を。
 見れば暴力を受けている男の子より幼いクーに。

「弱いものに暴力は、いけないよ?」

怒気がこもった声で言われた女性は幼い子にもかかわらず、怯えた。
 怯えている女性の後ろから男性が出てきた。

「ガキは黙ってろ!!」

男の拳が振り下ろされる。

「危ないっ」

子供の悲鳴が空に響いた。
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