夢幻の姫君
「ブ、ブラウニングの娘!!」

暴力夫婦はその名に驚き、恐れおおのいている。健人は気づかない。
 面白いというように、ゆったりとクーが自己紹介をする。

「クラン・ブラウニングと申します」

幼子とは思えない身のこなしと、言葉を使いながら冷たい笑みを浮かべながら挨拶した。

 夫婦は絶句。関わりたくないと言う様に部屋に逃げ込んだ。
それを見たクーは、子供に問う

「大丈夫?」

双子と思われる子供が警戒心をあらわにし、その少し年上の子供は嫌悪感を表した。
 だが、暴力を受けていた子供は礼をした。

「有難うございます。出来ればこの子達に何か…」
「良いよ。じゃぁまず、家においで?」
「「はぁ?!」」

突然言った信じられない発言に健人と真琴は絶叫した。

言われた方もポカンとしている。警戒していた3人も「こいつおかしいんじゃねぇ?」と言いたい顔をしていた。

 それを見ていた。クーはニコニコなまま、言う

「じゃ、お風呂入って、ご飯食べてから決めよう!」

それでも十分無理があると思ったが、子供達はボロボロでお腹がすいていたので何も言わず、高杉親子は、呆れて何も言わなかった。

 正確には、言えなかった。のかもしれないが。
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