しょうわる。
そんな俺こと高宮翔は現在学校へと向かい、つまらん通学路をとぼとぼと歩いているわけなんだが。
たまにはこんな意味のない思想もしたくなる時も人間あるもんだろう。
そんなはっきり言って全くもって楽しくない思想をしながら歩いていると後ろから何者に話しかけられた。
「あっ!翔ちゃんおはよっー」
「ああ……南か。おはよう、今日もいい天気だな」
「ちょっと!!まったく別の方向向いて挨拶なんてしないでよっ!」
「ああ、すまん。そこの電柱とお前を見間違えたみたいだ」
「相変わらず朝からひどいこと言うね……」
話しかけたと思ったら急にしょんぼりし出したこいつは相川南。
世間的に言う幼馴染って言う分類のやつなんだが、まぁこんな感じでいちいち反応の良いやつだ。
「別にひどくはないさ、ちょっとしたジョークさ、電柱ジョークさ」
「何それ……まぁいつもの事だからいいんだけどさ……」
「ようは慣れてしまえばそっちのもんだよ」
「こんなのに慣れたくないよ!!」
「そんな事どうでもいいから早く学校に向かおうぜ?遅刻しちまうよ」
「そっちから振ってきたのに……。あっ、そういえばそこの道にこの鍵が落ちてたんだけどたぶん翔ちゃんと同じクラスの水島君のじゃない?」
と南は高そうなキーホルダーのついた鍵を俺に見せてきた。
ふむ……たしかに水島はこういうのが好きでよくつけてたな……。
「たぶんそうかもしれないな。俺が渡しておくよ」
「ありがとー。それじゃぁお願いするね、はい」
と鍵を南から預かり俺たちは学校へと向かって行った。