夕陽

「えへへ!えと、栄太郎っていうの!朝ご飯奢って貰っちゃった。」

そういって智咲は微笑む。

「そうですか。
友達は大切にしてくださいよ?」

「あたし人使い荒いみたいにいわないでよ、もぉ!」

そういって智咲は口を尖らせる。


「あはは。まぁ稽古行きましょう?」

「はぁい。
あ!稽古づけてくれませんか?」

「いいですよ。久々ですね。」

そういって智咲と沖田は道場に向かう。



・・・・・・・・・・・・・・・


「いいですか?行きますよ。」

「構え出来てます。」

隊士の言葉で智咲は構える。

「では、始め!」

バシン!



隊士の言葉で一気に竹刀がぶつかり合う。


「最近、腕あがったんじゃないですか?」

「またまたぁ。総司さん程じゃあないよぉ。」


パシッバシン!

沖田の一太刀を智咲が受け止める。


(・・・・っ。力負けしてしまう。)

智咲は顔を歪める。




ふと、沖田の目に智咲の首筋が見えた。
赤い痣がついている。


沖田は動揺で一瞬力が抜ける

智咲はそれを見逃さない。


ビシッ


「一本!」


智咲は沖田の竹刀を振り払い、脇腹に竹刀を叩きつける。

「どうしたの?総司さん?手、抜かないでよー!!!」


「ちょっと来てくれますか?」

そういって沖田は智咲の手を引いて道場をでる。

「え?!ちょ!?」
< 117 / 462 >

この作品をシェア

pagetop