夕陽
「えへへ!えと、栄太郎っていうの!朝ご飯奢って貰っちゃった。」
そういって智咲は微笑む。
「そうですか。
友達は大切にしてくださいよ?」
「あたし人使い荒いみたいにいわないでよ、もぉ!」
そういって智咲は口を尖らせる。
「あはは。まぁ稽古行きましょう?」
「はぁい。
あ!稽古づけてくれませんか?」
「いいですよ。久々ですね。」
そういって智咲と沖田は道場に向かう。
・・・・・・・・・・・・・・・
「いいですか?行きますよ。」
「構え出来てます。」
隊士の言葉で智咲は構える。
「では、始め!」
バシン!
隊士の言葉で一気に竹刀がぶつかり合う。
「最近、腕あがったんじゃないですか?」
「またまたぁ。総司さん程じゃあないよぉ。」
パシッバシン!
沖田の一太刀を智咲が受け止める。
(・・・・っ。力負けしてしまう。)
智咲は顔を歪める。
ふと、沖田の目に智咲の首筋が見えた。
赤い痣がついている。
沖田は動揺で一瞬力が抜ける
智咲はそれを見逃さない。
ビシッ
「一本!」
智咲は沖田の竹刀を振り払い、脇腹に竹刀を叩きつける。
「どうしたの?総司さん?手、抜かないでよー!!!」
「ちょっと来てくれますか?」
そういって沖田は智咲の手を引いて道場をでる。
「え?!ちょ!?」