夕陽

・・・・・・・

土方での部屋。


「近藤さん。」

「なんだ?トシ。」


「芹沢を暗殺する。そのために
局中法度を作ったんだ。
芹沢にはもう許可を得てある。
もちろん暗殺するため、ということは
伏せてな。あとは近藤さんの了承だけだ。
近藤さん。了承してくれるか・・?」

土方が厳しい顔つきで言う。


「あぁ。・・・ごめんな、トシ。
お前にばかり嫌われ役を押し付けて。
本当は俺がやればいいんだが・・・」

近藤が悲しそうに言う。



「近藤さん。俺ぁそんなつもりはねぇよ。
ただ、壬生浪士組をよくして、
近藤さんの名を広めたいだけだ。
しかも、近藤さんはそんな柄じゃぁねえだろう?
嫌われ役は俺が一番向いてるよ。」


土方はにやりと笑う。

「ははっ。
トシがそんな風に変わったのも、
俺のせいかもなぁ。」

「はっ。ちげぇよ。
まぁいい。暗殺は誰にも他言しちゃぁいけねぇ。
だから、信用できるやつに手伝ってもらおう。
山崎。」

「あい。なんでしょー?土方はん?」

山崎が部屋の天井から降りる。
近藤は驚いて目を見開いていた。


「今から言う奴を俺の部屋に呼んでくれ。・・・・・。」




「・・・じゃあ、それでええんやな?
ほな、呼んできまーす。」


そういって山崎は天井に消えた。
< 130 / 462 >

この作品をシェア

pagetop