夕陽



「沖田はん、沖田はん。
土方はんが呼んではります。
至急との事。」

いきなり山崎が部屋に現れたので、
沖田は心臓が張り裂けそうになった。

「では、智咲さんは・・・。」

動揺を隠しながら言う。


「智咲さんは、呼んではあらへんで。
だから、そっと寝かしつけとき。
心配ならわいがついとってやるで。」


山崎は笑う

「心強いです。
じゃあ行ってきますね。智咲さんを頼みます。」

そういって沖田は部屋を出て行く。


「まかせとき。」


山崎はぼそりと呟いた。


・・・・・・・・・・・・・・・・



「ち、さき。智咲。」


誰かが私を呼んでいる。・・・誰?


「・・・誰?」

思い出せない。
でも懐かしい。

「お、とぅさ?
お父さん?お父さんなの?」


霧がかかっていて顔が見えない。


「無理しなくていい。自分の思うように行動すればいい。」

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