夕陽
スーー。
ゆっくり襖をあけて、沖田が智咲の寝ている、
自分の部屋へ戻る。
「ただ今戻りました。
って、智咲さんまだ寝てたんですか?
山崎さん、ありがとうございます。」
「ちゃうちゃう。
わしの様子みて理解せい。
熱こじらへとんのや、この阿呆は。
ちょっとわしはやることがあるんや。
やから沖田はんよ。こいつ見ててくれへんか?」
山崎は苦笑いしながら智咲を指さす。
「ねつ、ですか?!
いつの間に!!昨日までは元気だったのに・・!
まさか!昨日あんなに泣いてたから
泣き疲れたんじゃ・・・!」
はっ!と沖田は昨日のことを
思い出す。
「あははっありうるな。
どうせこいつのことや。考えすぎて
知恵熱とかなんかじゃあないんか?」
「・・・あり得ますね。
じゃあちょっと私水もってきます。
あとお粥も作ってきますね。」
そういって沖田は台所へ急ぐ。
「ああ頼むわ・・・って
また結局看病せなあかんの?」
ふぅ、と山崎は溜息をつく。
智咲の方を見ると、
息が荒い。苦しそうなのがすぐに
わかった。
そーっと頭を撫でてやる。
にへら、と少しだけ智咲が笑った気がした。
「子供か、アンタ・・・。」
ふぅ、と山崎は優しそうに溜息をついた。