夕陽


智咲もしだいにお酌するのには慣れた。

原田はお酒をたくさん飲んで腹踊りをしている。
永倉はそれを見て爆笑している。


「むぇー。
総司・・じゃなかった沖田さん・・・
うちもお酒のみたぁい。」

じーーっと智咲は沖田を見つめる。

「えええ?酔わない程度に飲んでくださいよ?
酔われたら後から面倒ですから。」

「うー。分かってるよぅ。
一杯だけ!お願いします!
そうしないと月にかわっておしおき
しちゃうゾ★」

きゅぴーんっと智咲はまたもやウィンクする。

「強制ですか・・。いいですよ。
お酌ぐらいはしてあげます。」

ふう、と沖田は溜息を吐く。

「えええ!いいの!そ、じゃない沖田さん!
じゃあ遠慮なく!」

沖田の飲んでいた酒を奪い、飲み始める。


「あぁぁ。それ私のですよー。
ていうかそんなに一気に飲むから酔いつぶれるんですよ?
本当に厄介なんだから、もう。」


沖田はぷくーと頬を膨らませる。


きゅんっと智咲の心臓が高鳴る。


まただ・・・。心臓がうるさい!
お酒のんだからかな・・?

そう智咲は思ってもっとお酒を飲む。

「あー!さらに私のお酒!」

残念そうに沖田は言う。

「うひゃひゃ!総司ひゃんきゃわええー。
うふふふふふふふふふふふふふっ!!!!!」

奇妙に智咲は笑う。

「ほおらやっぱり酔ってる。
酒癖悪いですよ?」

めっと、子供に言い聞かせるように
沖田は言う。

「にょ?
そんにゃの関係にゃいのー!
これからうちは完璧なる猫ににゃるの!
猫しゃんにお酌してほしい人ぉ!
挙手!にゃんが月に変わってお仕置き
してやるにゃんよ!!」

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