夕陽


「え?知らないの?確か前屯所に居たんだけど。総司さん連れてきたんじゃないの?」


(詳しくは挨拶を見てね!by智咲)


「え?知りませんよ?白猫が勝手に入ってきたんじゃないですかぁ?」


「うーん。そうなのかなぁ?」


「多分そうですよ。・・・コホコホッ」


・・・何か嫌な咳の仕方だなぁ。


「大丈夫?風邪ひいてるって思ったらお医者さんに行かなきゃだよ?」


総司さんの背中をさすりながら言う。でもどんどん酷くなっていく。


「コホッコホッ!ゲホッ!・・・はぁ、はぁ。大丈夫、です。ゲホッ屯所に戻りましょうか。」


「全然大丈夫じゃないじゃんかぁ!とにかく一旦屯所に戻る!それから土方さんに相談・・・」

「駄目です!
土方さんには、絶対・・・!!」

凄い迫力でいう。
すこし怯えてしまう。


「え?何で・・・?駄目だよ!隠しておいたら!治るものも治らないよ?」


「土方さんは少し過保護なところがあって、今後の隊務に影響が出るかもしれないので・・・。お願いします、・・・ケホッカハッ・・・本当に何もないんですよ。」


「総司さん、今後大きな事件が起こります。それは新撰組の名を上げるためには必要なことなの。ここで風邪ひいてこじらせてしまっては困るの!総司さんにはたくさん活躍してもらうんだから!!」


必死に訴える。
ここで風邪を治してもらわなきゃ・・・。
・・・そういえば池田屋の事件で総司さんは倒れるはず。結核で。・・・結核?確か咳が酷くて・・。ここの時代じゃ不治の病って言われてて・・・。
何かが引っ掛かる。総司さんのこの咳は何?この風邪とは言い難い咳は・・・。
まさか!・・・総司さんのこの咳は。



「総司さん!駄目!ちゃんと土方さんにいうの!
そうしないと・・・。そうしないとッ・・・。死んじゃう・・・。」


「大丈夫、ゲホッ!ですよ・・。
さ、屯所に戻りましょう。もう夕日が沈んでしまいますよ。」


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