夕陽






ゆっくりと振り向きながら言う。
なんとドMらしき人は逆さづりにされていた。そんなにMなのか。


「さぁて・・・。なんであんたがここにいるのかい?それから教えてもらおうか・・・。」



「え・・と。まぁ。疑いをかけられて・・・。」


目が泳いでいる。



「なんの?」


目を光らせて言う。


「長州のものとつながっている・・と。」



「名前は?」


なんか尋問みたいになってるー。


「・・・誰がお前みたいのに言うか。」


ぺッと唾をはく。


・・・腹立つー。
何だよドMのくせに!何意地はってんだよ!


心の中で毒を吐くが、あえて口には出さない。



「・・・名前を教えろっつってんの。それもいえないのか腐った汚らわしい豚め。お前の口はただの飾り物か?それともそれ以下か?」


一生懸命Sになりきる。
・・・なりきれてるかな。



「・・・古高俊太郎だ。」



こ、たか?!まさか・・・。池田屋事件の・・・。


いやだから土方さんも怒号はなってたんだ!ただのSMプレイ楽しんでるわけじゃないんだ!!!!・・・ここで吐かせれば・・・!少しはお手伝いなるかな?!


「京を火の海にして混乱。どさくさに紛れて我らの天子様を連れ去ろう、って訳?」



知っている知識を、片っ端から述べていく。






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