夕陽


「・・・知らないな」


しらんふり。



「長州にこっちの間者がいる。そいつから聞いた話だよ?それでも知らないふりするの?」


嘘です。間者なんていません。全部あたしの知識です。
・・・なんていうはずもなく。なるほど古高くんはひどく驚いた様子でした。


「まぁまだ誰も知らないけどね。古高くんがこのことを言ってくれれば、ことは早く進むのになぁ・・・?」


横目でちらちらみる。うんー。効果なし。


「知るか、そんなもの。わしゃそんなものなんぞ、しらん」


ふん、と逆さづりにされながらもそっぽむく。腹立つわー。


「ええぇ。仕方ないなぁ。」


そうつぶやいて、門をぎぃぃ、とあける。


外にいた土方さんに、

「褌2枚と、筆と墨と紙できるだけ多く持ってきて?」


と頼む。


「てめっ・・。」


めっちゃ睨まれてるが、Sモードのわたしゃ気にしない!さぁさっさと持ってきて!とでも言うような視線を送る。


しぶしぶ土方さんは言われたものをとりに行きました。
しばらくすると戻ってきて、

「何に使うんだこんなもの」

「いいのー♪後からのお楽しみ♪」


ふんふんと軽快な鼻歌を歌いながら放置された古高くんものとへ戻る。



「いいものもって来たよ?さぁ、これで遊ぼう・・・?」


にやり、と黒い笑みを浮かべる。


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