夕陽
ギィィィ。
蔵からでる。
土方が、蔵の前で待っていた。
「・・・土方さん。古高が吐きました。」
そういって古高の書いた紙を渡す。
ゆっくりと、紙に目を通す。
「これは・・・。どういうことだ!!!」
紙を思いっきり地面にたたきつける。
内容が内容だ。怒るのもわかる気がする。
「それを事前に回避させるんです。今すぐ幹部の人たちを呼びますか?」
「ああ。呼んでくれ」
「分かりました。」
急いで幹部たちを呼び集める。近藤さんももちろん。土方さんの部屋にみんなが集まる。
「いないものはいないか」
土方がまわりを見渡し、いないものがいないことを確認して、話し始める。
「古高が吐いた。内容は。・・・・・・・・。」
紙に書いてある内容を土方が音読する。
「んだよ、クソ・・・・ッ!!」
ドン、と永倉が畳を思いっきり拳で叩く。殴るの方が正しいかな。
「これを阻止するために、明日長州の者たちが集まっているところへ斬りこみに行く。」
近藤が周りを見渡して、言う。あぁ。これが後に言う池田屋事件なんだ、と薄々感じた。