夕陽

 
 とある双子の会話


・・・・・・・・・・・


げほげほ、と咳をする双子の兄を看病する妹。





「お兄様。何をそんなに悲しそうな顔をしているのです。」


「妹よ。わたしたち双子は、生まれ変わっても・・・また、出会えるだろうか。」



双子の兄は、とても悲しそうな顔をする。



「出会えますよ。この刀がある限り・・・。たとえ、敵だろうが味方だろうが。どんな形であれ、出会えることは確かですよ。だから・・・安心してお眠りになってくださいまし。」


そういって双子の妹は兄の布団をかけなおす。


「・・・そうか。ではまた出会えることを、期待している。ゲホッゴホッ・・・」


突然双子の兄が激しく咳き込み始めた。


「兄様?!どうしましたか!苦しいですか?!駄目です!まだ死んじゃ駄目です!!」


双子の兄はゆっくりと妹に手を差し伸べる。


「死ぬわけじゃない。ずっと。お前の心のなかにいる。私は、ここにいる。お前もここにいる。ずっと・・・ここにいる。」




私たちは、二人でひとつ。

ずっと一緒。

私はここにいる。あなたもここにいる。



ずっと・・・・ここにいる。



「お、お兄様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

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