夕陽
私は立ち上がる。
大声を出せるように。叫べるように。
「私は、総司さんが好きです!どうしようもないくらいに!総司さんがたとえほかの人を思ってても、ずっと好きなんです!
ずっとずっと、ずううううっと!大好きです!」
叶わないとわかってるのに。
総司さんを困らせることくらい。最初から気づいていればよかったのに。
涙が止まらないよ・・。それでも叫ぶ。
「総司さんがッ・・・」
総司さんも立ち上がる。
ぎゅううう!
総司さんが私を抱きしめる。
「?!?!何を・・。」
「大好きなのは私も同じですよ、智咲さん?」
総司さんが抱きしめたまま、喋る。
「でも総司さん、浮気はいけないよ?」
「だれが浮気ですか。最初から、智咲さんが好きだったんですよと言ってるんです。」
「え、でも・・。」
「文句ばっかり言わないで下さいよ」
「うん・・・。」
私も総司さんの腰に手を回す。
「泣き止みましたか?」
暫くして、総司さんが言う。
「・・・うん。」
「じゃあ、屯所に戻りましょうか」
「・・・うん!」
手をつないで、屯所へと歩いていく。