夕陽



年齢なんてもの、とっくに数えるのを止めた。数えるだけ、虚しくなる。



何歳ですか、と聞かれるたびにふつふつと湧き出る感情。




私は、人間じゃない。




どういう感情かなんて、知らない。


数百と生きているのにまだ出ない答え。



背中に生える鳥のような羽根は、私を混乱させる。



自由に空を飛べない、私を自由にしてくれない、


縛り付けるだけの邪魔な羽根。





普段は隠すように額に包帯を巻く。
普通なら、背中に巻くのかもしれない。でも私は額に巻く。


そうしないと、羽根は消えてくれない。




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