夕陽



私は気がついたら違う国にいた。


どうやら、まえまで一緒にいた主が私を売りに出すらしい。


私はモノじゃないのに。

逃げた。逃げて逃げて、気がついたら『神社』というところにいた。


私の姿を見た巫女という人は、妖怪と叫んで私を殺そうとする。


面倒なので、私が巫女を殺した。
身包みも剥いで、私が着た。


こうすれば、異質扱いされなくて済む。



この国の言葉も、お陰様ですぐに覚えた。





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