夕陽
「邪魔をするなら・・・殺す」
羽交い絞めをしている男を投げ飛ばして、私の邪魔をした男に襲い掛かる。
「・・・なんで邪魔をするの。」
「智咲さんを殺そうとするからです。」
私は隠し持っていた小刀で。男は腰に差してある刀で。
「かは・・・ッやめてぇ!」
私と男が刀を交わらせているのを見たお姉ちゃんが私を後ろから引っ張って押し倒して、馬乗りになる。
「総司を殺すのなら・・・ッ私がすぅちゃんを、殺すよ!!」
ぎりぎりと。地面に落ちていた数珠で、首を絞める。
さっき私が数珠で首を相当締め付けたはずなのに、お姉ちゃんの力は強い。
誰もお姉ちゃんを止める人は、いない。
どんどん意識が遠のいていく。
段々と首に入る力が強くなる。
自分は死ぬんだ。
・・・ああ。長かったな。
何百年生きただろうか。
でも、最後に言わなきゃ。
「・・・ごめ、ん・・・ね」
その意味を、私はわかった気がする。
私はこの言葉を最後にして、息を引き取った。