夕陽
「・・・っく、ぅう・・・ッ」
すぅちゃんにまたがって、私は泣いている。
「うう・・・ッカハッ、ゲホッ」
「大丈夫ですか、智咲さん?!」
すぐに総司が駆け寄ってきてくれる。土方さんは打ちつけた体を重たそうに持ち上げた。
「・・・ゲホ、ガハッ・・・だい、じょうぶです。」
「とりあえず、こいつの埋葬しないとな。」
土方さんはすぅちゃんを見て、言った。
「そうしましょう。朝に行ったら、智咲さんと同じ顔のこの人を見て、隊士たちが混乱するでしょうから、今行ったらどうですか?」
「ああ。そうしよう。」
「ちょっと近藤さん起こしてきます。」
総司が草むらに移動させていた、近藤さんを引きずってくる。まだ気絶してたのか。
「近藤さんー?おきてください、埋葬しなきゃいけない人いるんで、手伝ってください。」
さりげなく総司はすぅちゃんのことを『人』と呼んだ。
総司も気づいていたのだろう。
すぅちゃんが『人』になりたがっていたことを。