夕陽




「わた、しは・・・屯所が・・、好き。新撰組が好き・・・。みんながだいす、き・・・。でも、それ以上に・・・ッ、総司、が・・・好きです」



自分の力じゃ立てなくなって、総司の胸の中で喋る。



「そんなこと、言わないでくださいよ」


「あはは・・・死ぬとき、は総司と一緒にし、にたかったな・・」



「じゃあそうしてください!!!」


「・・・無理、だよ・・・」


「駄目です!」



「最後、に・・・口、つけて・・・」



総司は迷わず口付けをしてくれた。






私は、安心した。



私を想ってくれている人がいる。



それが嬉しくてたまらなかった。



多分、幸せに酔いしれすぎたんだと思う。

幸せを知りすぎたんだと思う。




だからこんなにも、死ぬのが嫌なんだ・・・。


だからこんなにも、生に執着してるんだ・・・。




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