夕陽




「ち、さきさん・・・ッ起きてください!目を、開けてください!!」



総司の声が聞こえる。



総司の涙が、私の頬に当たる。


私の頬からも、一筋の涙が流れる。



ゆっくりと瞳を開く。でも、半開きにしかならない。




「総司・・・、ありが、と」




精一杯の力を、振り絞って言った。





それきり、私の瞳は開くことはなかった。










私を拾ってくれた、総司に感謝する。


私を愛してくれた、総司を・・・新撰組のみんなに、感謝する。






私にこの『世界』をくれたことを、感謝する。









< 441 / 462 >

この作品をシェア

pagetop