夕陽
「ち、さきさん・・・ッ起きてください!目を、開けてください!!」
総司の声が聞こえる。
総司の涙が、私の頬に当たる。
私の頬からも、一筋の涙が流れる。
ゆっくりと瞳を開く。でも、半開きにしかならない。
「総司・・・、ありが、と」
精一杯の力を、振り絞って言った。
それきり、私の瞳は開くことはなかった。
私を拾ってくれた、総司に感謝する。
私を愛してくれた、総司を・・・新撰組のみんなに、感謝する。
私にこの『世界』をくれたことを、感謝する。