夕陽
隣で寝ている智咲さんは起きない。当然のことながら。
「・・・智咲さん・・・。」
冷たくなった唇に口付けをして、葬儀の準備に取り掛かる。
智咲さんは一昨日掘っておいた穴に入っている。
智咲さんの体には、掘っておいた穴は大きすぎた。
穴には、私があげた着物、愛用の刀、平助があげた匂い袋が智咲さんの遺体と一緒に入っている。
新撰組全員が葬儀に参加した。他にも、女中の人たちも参加していた。
「智咲ちゃんッ!なんでェ!なんでや!!昨日まであんなに元気やったのに!!!いやあああああああ!!」
春という人が、泣き叫んでいる。
冬という人が、涙を精一杯にこらえている。
みんなの悲しみとともに、智咲さんは地面の中に埋められた。