夕陽
「智咲さん、
部屋につきました。
布団ひくので、離れてください。」
「うぃ。」
今度は素直に離れた。
沖田が布団をひきおわると、
「おきたしゃん、
一緒に寝よ。」
そういって袴の裾を智咲が掴んだ。
「仕方ないですね・・・。
赤ん坊ですか、智咲さんは・・・。」
少し微笑みながら沖田は一緒の布団に入ってやる。
「えへへ、
沖田しゃんといっしょ。」
子供の様に無邪気に智咲は笑う。
それを見て、沖田は何故か鼓動が早くなる。
それを否定するように沖田はいう。
「もう暗いので、寝ましょうか。
おやすみなさい、智咲さん。」
「うん、おやすみぃ。」
そういった智咲からは規則正しい寝息が聞こえてきた。
最近智咲さんといると、
胸の鼓動が早くなる。
・・・・何故でしょうか。
そう考えていて眠れない沖田に
智咲は抱き着いてきた。
「?!智咲さん?!」
「うぅ、ごめんなさい・・・」
寝言だろうか。
そういうとまた沖田に抱き着いたまま
智咲は規則正しい寝息を立て始めた。
頬に涙を伝わせながら。
沖田はその涙を拭いてやり、
しばらくのあいだ頭を撫でてやる。
智咲の顔は、気持ちよさそうだった。