夕陽

・・・・・・・・・・

「やめてくれ!
智咲を離してくれ!」

「いやぁぁ!
ちさちゃん!
ちさちゃん!!!!」

泣き叫ぶお母さんと、
怒鳴り声をあげるお父さん。

これは・・・
あの夢の続き?

「うぅー、
うぅぅ、
くるじーーっ」

じたばたと暴れる、小さいころの私。

「喋るな!」

「ふぇ!?
ぶぁーーーっ!!!」

耳元で怒鳴られて、びっくりして泣いていた。


「五月蠅いな・・・
殺すか。」

私の襟をつかんで持ち上げている男は
呟く。

「やめろ!!
やめてくれ!」

お父さんが叫ぶ。

「うえぇぇぇえっ!!」

私が泣く。


突然お父さんが走り出す。

「----(父の名前)?!
何する気?!」

お母さんが叫ぶ。

「うわぁぁぁぁぁぁんっ」

急に男の手から離れ、
体が宙に浮く。
後、尻もちをつく。

お父さんが、男にタックルしたのだ。

「うわぁ!」

男は自分の手にあった包丁が、
ないのに気づく。


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