夕陽

智咲の姿を見て、
二人は驚く。

「智咲さんっ
結構はやかったじゃないですか!
大丈夫でした?
怪我は?何もありませんか?」

沖田が心配する。

「もぅ。
なんですかぁ、沖田さん。
子供じゃないんだから。
沖田さんが思うほど、芹沢さんは
悪い人じゃないですよ。
何でそんな敵視しやがるんだ
そのせいですごく怖がっちゃった
じゃないか
土方この野郎。」

一方的に土方を攻める。

「うるせぇぇぇぇぇっ
なんで俺だけそんな扱いされてんだよォォォォッ
ていうか芹沢さんとそんなに仲が良くなったのか?」

一回キレてから、土方は智咲に聞く。

「そういう訳じゃないですけど、
また雑談をする約束させていただきましたっ!
なんか、勘が鋭そうな人ですよねー。
すぐに女ってばれちゃいそうです。」

「「・・・」」

土方と沖田は黙る。

「え?え?!
やっぱし勘が鋭い方なんですか!」

「女っていうのがバレるのも、時間の問題ですねぇ。」

そういいながら沖田は溜息をつく。

「えー、ええええ。」

智咲は焦る。

暫く土方はうーんとうなっていたが
そうだと閃いた顔をした。

「何かあったんですか、いい案が!」

沖田は嬉しそうに聞く。

「あぁ。少し難しいかもしれんが、
大阪に一度芹沢さんを中心に向かう。
攘夷志士粛清のためだ。
そこで智咲、男ということを見せ付けてやれ。
大丈夫だ、総司も行くから。」

土方はうんうん、とでも言うように
頷く。
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