夕陽

「それでは早速今夜発つ。
さっさと準備してこい。」

土方はうなずきながら言う。


「今日?!今日ですかっ?!
聞いてませんよそんなの
土方この野郎!」

智咲が抗議する。

「んだこの野郎!
人にこの野郎なんていう暇あったら
さっさと準備しろ
この野郎ォォォッ!!」

青筋を浮かべた土方が言う。


「土方さんだって
連呼してるじゃないですかあぁぁぁっ
いきましょう、沖田さん!!
もうこんな人に敬語なんか使う気
失せます!じゃあね土方さん!
もう敬語なんか使わないよ、
土方さんのばぁぁっか!」

呆気にくれる沖田の手と掴み、
土方に言い放つ。

そして勢いよく部屋から出て行く。


まさにいい逃げだ。


「・・・・っち。
腹が立つ。

おい。山崎」

不意に土方が言うと、

天井から人が出てきた。

「なんでしょー、土方はん?」

「その言い方やめろ。
それと、大阪についてけ。
芹沢さんと智咲の監視だ。
決してばれるんじゃないぞ。」

「はぁい。
んじゃ、お先ー」

シュッと山崎と呼ばれた人が消える。


「頼むぞ
・・・・山崎。」

土方は独り言のようにつぶやく。
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