夕陽

「む、むぅ・・・。
わかってるよぉ、
でも、なんか違和感が
あるよ、沖田さん・・・。」

縋るように沖田を見る。

「それでいいんですよ、
智咲さんっ!
あと沖田さんじゃなんか
堅苦しいので総司とでも
呼んでくださいよ。」

沖田はさらに微笑む。

「えええ?!
総司、ですじゃなくて、
総司さんでいいですよ!
仮にも組長だし、
他の隊士にも示しがつかないから!!」

智咲は必死に説明する。

「あはは。
わかりましたよ。
総司さんでいいですよ。」

「むぅ、でも本当に
敬語つかわなくていいの?
確かにこっちのほうが楽だけど・・・」

「いいんですっ!
今度敬語使ったら、
どうなるかわかってますか?」

沖田が黒い。
智咲はそう思った。


「わかってますよぉ。」
「おおおおおおっい!!」

智咲の言葉を遮って
どたどたどたと3人組が走ってくる。

永倉さんと原田さんと藤堂さんだ。

「おい!お前ら大阪いくんだって?
遠いぞ、大阪は。」

原田がからかうようにいう。

「そうだよ!
お土産よろしく頼むからね。」

藤堂の目が輝いている・・!
智咲はそう感じた。

「大阪に行くときは
気をつけるといい。
大阪は京より治安が悪そうだしな。」

永倉は沖田と智咲を心配する。
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