夕陽
・・・・・・・
「私ってわかるでしょうか?」
智咲は春に不安になって尋ねる。
「大丈夫どす。
前に比べてものすごく見違えましたから。
さ、土方はんに仕返しすんでしょ?
さっさといってきたらどうです。」
「うん、
いってくるね。」
・・・・・・・・・
智咲と一緒にいた女の人がいない。
そう感じた永倉は、もうやっちゃったか。
と、思い込んでいた。
まったく。最近の若者は手が早いねぇ。
そう思っているうちにふすまが開く。
「お、かえってきた・・・違う、
新しい子か。」
とても可愛い。
しばらくの間永倉はその子に見とれていた。
智咲・・・
大丈夫かな・・・
そう思いながらも、土方さんに近づく。
大丈夫!みんなこっちみてるけど、
まだ誰も気づいてない様子!!
土方さんのところへ強行突破!
「土方はん、
お酒をお酌させていただいても
よろしいどすか?」
ちょっと京弁が変になったが、
酔っている土方は気づかない。
「おぉ。いいぞ。
新人か?みねぇかおだな。
名はなんていう?」
土方が智咲にたずねる。
あ。
名前考えてなかった。
必死に頭をめぐらす。