夕陽

「・・・ん?
さっきの猫ちゃんいるの?」

そうやってまわりを見渡す。
しかしいない。


「気のせいか。」

また一歩踏み出す。


ちりん♪


「やっぱいる!
猫ちゃん?!出ておいで?!
怖くはないよ!!!」

そうやっていろいろ探す。
チリンチリン音が鳴るだけで、
一向に見つからない。

しかもなぜか足元がスースーする。
まるで制服のスカートを穿いてるみたい。


・・・ん?


智咲は少し変な気持になって
部屋にある全身が映る鏡を覗く。


「・・・・え?」


そこには、いつもの袴ではなく、

上半身は女物で桃色の着物なのだが、
下は、スカートで、簡単にいうと
帯から下が、スカートなのだ。
黒色の、制服みたいなやつ。

さらには尻尾だってある。
白色の。赤色のリボンと鈴も
ついている。しっぽに。
猫耳までもがついている。しかも白。


「ま、さか・・・。猫ちゃんの
鈴の音じゃなくて、うちだったとは・・。
っていうかうちコスプレマニアみたいじゃ
ないかああああああああああああああ!
ゆ、夕陽は?!あ、大丈夫だ!
大変じゃないか!
ひ、ひじ!土方さあああん!」


そういって急いで土方の部屋へ向かう。


スパーーン!


「っるせぇ!こちとら仕事中だァァァァ!
静かに入れェェェェエェ!」

土方が怒鳴る。


「それどころじゃないのッ!
土方さんッ!」

リンリンと音を出しながら土方の元へいく。
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