微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)

【愛想ゼロのハウスキーパー】


一階に下り、メイド……じゃなかった、お手伝いさんの用意してくれた夕食をとる。

彼女は家政婦と呼べと言っていたが、どうにも抵抗がある。

料理はご飯に味噌汁、煮魚に煮物、ひじきの五目煮といった家庭的な日本料理だ。

「お手伝いさん、料理上手いね」

洗い物を終え、台所を出て来た彼女に思い切ってそう言ってみる。

お世辞ではなく本当に美味しいし、笑顔でコミュニケーションを図ってみるが……

「……。お食事がおすみになりましたら、食器はそのままで。わたしが片付けておきますので」

――と、無表情のまま眉根一つ動かさずに言い残し、部屋を出て行ってしまう。

会話が成立してないし……。

一方的に無視された感じがする。


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