微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)
「ぼっちゃん、確か高校は柴高っすよね。やっぱ運転手とかいて、車で通ってるんすか?」
「いや、自転車……」
「マジで!? 結構、距離あるっすよね」
「馴れればそんなに……40分位。裏道とかあるし」
天候によっては稀にバスを利用する事もあるが、本数も少なく不便な為自転車で通学している。
「俺、てっきりお抱え運転手とかいると思ってたっす。車庫にスゲー車あったんで」
「あれは、母さんの車」
「へえー。スゲー……あ、すんませんタメ口で」
顎を突き出すように首を曲げ、軽く頭を下げる。
今更だろう……
むしろ、一応は気にしていたのかと驚く。
「タメ口でもいいですよ。あまり気にしないので」
「いや! けじめなんで!」
「……はあ」
「すんません」とか、語尾に「っす」とか付けちゃう癖に、妙なポリシーはあるらしい。
これでも敬語を使おうと、彼なりに頑張っているのかもしれない。