微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)

「そういや、芳野先輩とはどんな感じっすか?」

「ん? いい感じですよ」


無表情で愛想ゼロ。

だけど不思議と慣れてしまったし、悪い人ではなさそうだ。

何よりご飯が美味しいし。


「マジで!?」

「マジで」

「ぼっちゃん、スゲーよ!」

ノリ良く答えると、石和田さんは目を大きく見開き、興奮した様子で身を乗り出す。

「俺、あの人に何か聞いても無視されるか、口で答えりゃいいのに、わざわざ紙に書いて渡されるっす! それも無言っすよ! 無言!」

彼女に名前を聞いた時の事を思い出し、吹き出す。

「ぼ、ぼっちゃん?」

「ちょっと……思い出して。俺も似たような扱いだけど、慣れました」

いい感じとは言ったものの、餌付けされた感がある俺はともかく、向こうがどう思っているかまでは分からない。


< 26 / 59 >

この作品をシェア

pagetop