微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)
「慣れたって……そういうもんですか?」
腑に落ちない様子の石和田さんに軽くうなずく。
「……あ、そういえば。石和田さんって、いくつですか?」
初めて彼を見た時から、素朴な疑問だった。
彼はパッと見、高校生位に見える。
「おっす! 石和田御来(ごらい)、21歳っす!」
ピシッと右手を額に当て、警察官がするような敬礼をしながら答える石和田さん。
「え……それなら、芳野さんと同じ歳なんだ」
「え!? マジっすか!」
「うん、聞いたら教えてくれたけど……」
そう言ってから、ハッとする。
「あ! 芳野さんに俺が歳バラしたって、言わないで下さいよ」
理由はよく分からないが、女性は人に年齢を知られるのが嫌な生き物だと聞いた事がある。
「うっす! 女に不躾に歳の話題を出す男はバカヤロウだって教わりました! バラしません!」
「……」
女性である芳野さんに歳を聞いた、バカヤロウな男を目の前にして、体育会系ノリで宣誓する石和田さん。
この人、俺に喧嘩売ってるのかな……。