微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)
【空気の抜けたタイヤ】
4月下旬、ゴールデンウイーク直前。
学校帰り、自転車を押しながら河原沿いを歩く。
周りには人も車もなく、感じるのは頬を撫でる春風、川のせせらぎ、そして――
空気の抜けたタイヤが地面を擦る音。
今日は確か、仏滅だったな……
ふと、そんな事を思い出す。
しぼんだタイヤのせいで、自転車がやけに重く感じる。
これを機会に、新しい自転車に買い換えるのもいいかもしれない。
母に電話で頼んでみようと、ぼんやりと思う。
次の自転車は、パンクしないタイヤがいい。
また……同じ事があると困る。