微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)
高校は、どこでもよかった。
だけど中学の時、クラスメイトの志望校くらいは調べておくべきだったかもしれない。
中学では……人気の無い非常階段の裏、ひとり、ぼんやりと過ごす事が多かったように思う。
息を殺すように過ごし、ただ、時間が過ぎるのを待つだけの毎日……
それでもある日、ストン――と、何かが抜け落ちたかのように、そんな時間が気にならなくなった。
自分でも不思議な位、胸の内のざわめきが静かになったのだ。
慣れるって、こういう事かと思った。
まるで心の一部が麻痺したかのように、傷みを感じなくなる。
だから……大丈夫だ。
幸い、暴力とか、荒っぽいイジメじゃないだけマシなのかも知れない。
きっかけは、些細な事。
思い出すのも、馬鹿馬鹿しい理由だ。
俺のちっぽけなプライドが、アイツら……中学からの同級生と戦うと決めた。
いたってシンプルに、卒業まで平気な顔で毎日を過ごす事。
卒業まで……誰にも弱音なんて吐かない。
絶対に。