微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)
「新貝サービスって、自転車の修理もするんだ」
「引越しの手伝いとか、雑用とか、何でもするっすよ。家事代行サービスは……実は、ぼっちゃんの所が初めてっす」
「え……? そうなんだ」
どうりで……
芳野さんとか、石和田さんとか――
こう言っては何だけど、変わったスタッフが来たというか……
「なんつーか、ぼっちゃん……変な人材が来たとか思ったんじゃないっすか?」
「! そ、そんな事は……」
思っていた事をズバリと言い当てられ、ドキリとする。
「仕事内容とかも、依頼主からはあまり細かく指示されてないっす。だから、芳野先輩が掃除する場所とか時間とか、細かく工程表作ってくれて――」
ふと、手に持ったお弁当箱が目に入る。
細かく指示されてない……?
だけど、芳野さんは「お弁当も契約に含まれている」と言っていた。
「ぼっちゃん?」
「……。あの、石和田さん。お弁当作る事って、契約に入ってる?」
「どうっすかね……。何しろ電話取ったのって、あの芳野先輩っすから」
「そう、なんだ……」
取った本人が「契約」だと言うなら、そうなんだろう。