微笑みは瞳の奥へ(更新休止中)
しばらくテレビを見ていると、携帯が鳴った。
相手は……母だ。
芳野さんが初めて家に来た日、電話で口論してから連絡が無かった。
俺もあんな切り方したから気まずくて、自分から連絡出来ずにいたし……
「……もしもし?」
「甲太朗……。久しぶり」
9日ぶりに聞いた母の声は少し掠れていた。
「どうしたの? 声、元気無いけど……」
「ううん、大丈夫……そっちはどう?」
「変わり無いよ。お手伝いさんもいい人だし」
「そう……よかったわ。たまたまね、郵便受けにチラシが入ってたのよ。電話一本、即日OK、何でもやりますご相談下さい――って」
「へえ……」
もしかして……即日OKとかいう所に惹かれたのだろうか。